私はうなぎがだぁ〜い好き！

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だけど昔、家族に知られてえらいことになった。
私は「うなぎであればなんでも好き」ではないのだ。
脂の乗った太めの奴を熟練の職人が裂き
備長炭の上で脂を滴らせ、
ふんわりと羽毛ぶとんのように蒸し上げてから
甘辛のタレにくぐらせて白飯の上に隙間なく並べる。

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ああ、うなぎよ！！
天女の衣！！

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そう、私はうなぎ好きでも「ちゃんとしたうなぎ」が好きなのだ。
しかし、家族というのはえてして阿保であり
血がつかながっているから無条件で理解し合っているなどと考え
良かれと思って私にうなぎを出す。

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しかし、うなぎへの思いを共有していないので出てくるのは
スーパーで買った「ゴムを丁寧に煮てみたけれど、所詮ゴム」
みたいなうなぎである。

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私は涙を流す。
こんな風にバカに調理されたうなぎを思うと悲しい。やるせない。
うなぎは高級魚で構わない。
私はお金を貯めて年に数回会いに行くよ。それで充分だよ。
職人さんはその時のためによくよく技術を磨いておいてくれ。
しかし、目の前にあるのはゴムの偽物だ。

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こんなことってあるかよ！
魂の慟哭はしかし、家族から見ると「あらあらこんなに喜んじゃって」である。

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一度育った私への先入観は中々消えず、何度もゴムを出すので最終的には
「花粉症の検査に行ったらうなぎアレルギーだというのがわかった。残念ながら私はもううなぎを食べられない」
というクソみたいな嘘をつくに至ったのである。
ああ！私は正直に生きていたかった！
これが原因で閻魔大王に舌を抜かれたら死んでも死に切れない。死んでるけど。

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ともあれうなぎだ。
私の愛するうなぎだ。
今、絶滅に瀕している。
人間、お前らのせいだ。
私のように蝶よ花ようなぎ様よ、と年に数回食べて満足していれば良かったものを
松屋でバカみたいに食べるからうなぎ様が絶滅の危機に瀕している。

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セックスだ元カレだと騒いでいる人間風情が傲慢の極みだ。
私はうなぎの側に立つ。
人類の持つスーパーテクノロジーを手土産にうなぎと共に戦う。
貴様ら人類が笑っていられるのも今日までだ！！
私が開発したスーパーうなぎ人の誕生によって人類はその文明を閉じる。
落日の時だ！人間ども！！

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今なら間に合う！
愚かなる人類よ！我らうなぎの軍門に下れ！！！