憲法思想史を勉強したいのですが、何から読めばいいでしょうか?

 とりあえずは岩波文庫とかの世界憲法集をご覧になって、日本国憲法との違いをざーっと比較してみるといいんじゃないでしょうか。特に他の国の憲法では「何が書かれていないか」に注目してみるのがいいかもしれません。そうすると、現在いろいろいわれている「立憲主義」がそこまで自明でもないというか、少なくともいろんなあり方があるというのがわかるのではないかと思います。
 
 あとはできるだけ比較憲法的なものがいいと思いますが、入手しやすいものだと、阿川尚之『憲法で読むアメリカ史』(筑摩書房[ちくま学芸文庫]、2013年)がとてもすばらしいです。独仏でもこういう読みやすいものがあるといいんですが、かなり専門的な研究書が多くなってしまいます。入門的なものだと、樋口陽一、辻村みよ子、君塚正臣、塩津徹といった各先生が比較憲法の教科書を書かれていますので、そこからいろいろたどってみるのがよいのではないかと思います。
 日本の通史的なものだと、長尾龍一『日本憲法思想史』(講談社[講談社学術文庫]、1996年)が入手しやすい良書です。あとは信山社から出ている「日本憲法史叢書」で高見勝利先生や大石眞先生のご研究がとてもエキサイティングですが、このあたりはかなり本格的にのめり込みたい方向け。
 現代的な思想課題と立憲主義との緊張関係を問題にするものとしては、『岩波講座 憲法』(岩波書店、2007年、特に第1巻・井上達夫編『立憲主義の哲学的問題地平』、第6巻・長谷部恭男編『憲法と時間』)や、『講座 人権論の再定位』(法律文化社、2010年)などがありますので、ご関心に応じてどうぞです。

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岡口裁判官によって柳は迷惑かけられてるの?柳は法曹じゃないから関係なくない?

.まあ、本名で SNS やることのリスクが間違った感じで広まってしまったというか。

大学から人文系を無くせという声はあるが、数学を無くせという声はあまりないのはなぜでしょうか。数学の研究は、直接もしくはすぐに役に立たなくても必要だと思われていて、他分野や社会から一目置かれている。人文系もかつてはそうだったはずで、それが変わったのはいつごろで、なぜそうなってきたのでしょうか。

.入試科目として数学が重要になったから、数学なくせなんていうとバカっぽく思われるからじゃないかな。文系科目は誰でもそこそこできるので0点はないけど、数学はコンプレックス刺激しやすいし。あと、もともと数学のポストなんてほとんどないけど、人文系は大学の拡大とともにどんどん増えたので、いろいろ恨みも買っているのだろう。

ここ数年ヤクルト村上が不振なんだけど、これは柳もまた村上ファンを公言できるのでは?

.あのホームランがいいのであって、打たない村上なんか知らんわ。

こいつまじで馬鹿だなって思ってもらって、それで出てってくれるならそれでもいいんだけど?

.出ていかないっしょ。あーこいつ馬鹿だなーと思われながら表面上で言うことだけ、みたいになる。人を出ていかすのはとんでもなく難しいんだから、入れた以上は力を生かしてもらうように工夫しないと仕方がない。

職場の院卒の若手が全然使えないです。机上の学問は実務じゃ通用しないんだよってマウンティングしてもいいですか?

.うわこいつマジで馬鹿だなって思われるだけだよ。

柳は新書とか書く予定ある?これから出す単著のエッセンスだけ抽出した初心者向けみたいなやつ

.日本語で一般向けの仕事をするインセンティブがとことんなくなっているので、そんなゆるいものは書かないと思う。

「講談社現代新書を書くのに向いてそう」は文系研究者が言われるのは嬉しいですか?

.講談社、中公、岩波だったら悪口とはそうそう思われないんじゃないか。

三権分立における司法権の独立って観念的過ぎてこういう事態にきめ細やかに対応できないよね

.そんなの自分が観念的にしか理解してないからだよ。弁護側の主張を読むだけでも、賛否はともかくいろんな論点がある。

裁判官って停職や減給ができないから何かやったら弾劾裁判で罷免するかしないかってなっちゃうのだろうか。

.日本の制度上はそう。アメリカではそれが問題になって、連邦裁判官の場合、連邦裁判所内で懲戒の手続きがいろいろ作られた。でも身内に甘いことが問題になって結局、弾劾になる例が最近は目立っている。しかし、連邦議会(特に下院)も弾劾は最後の手段と考えていて、担当の事件に直接関係する非行(賄賂とか)でなければ最終的な弾劾には至りにくい。どや、詳しいやろ。

おじさんは「侮辱したな!法廷で会おう!」みたいな心境になることってないの?もしあるとしたら、それはどんなとき?

.おじさんじゃねーし

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