ドラッキーちゃんと初めて知り合った時の感想を教えてください!

以下は、この質問を見た瞬間浮かんだ文章です。
実際はもっと、何この子かわいい!!みたいに、直感でKAWAIIしてただけなので、これはあんまり関係ない謎妄想です。

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兎にも角にも、『愛』は難しい。
昔から、書く時にバランスが取りづらく困っている。
いや、それは与太話か。今は『文字』として認識している訳ではなく。

今回は僕の愛子の話だ、彼女はドラッキー・アルマと言う、のは種族名ようなもので。
それは差し詰め、僕自身の紹介をする時に「エミルです」と名乗っているようなものだ。
回りくどく言っているが、つまりその、僕は彼女にまだ『名前』を付けていないからだ。

彼女たちの種族に名前を付けることは義務ではないし、付けなくても何ら問題ない。
それでも僕は考える。
あの子に送るとっておきの『名前』を。
便宜上、種族名から「ドラッキーちゃん」と呼んでいるが、それも余所余所しく感じていたところだ。

どうしようか思案しながら僕はギルド商人さんに声をかける。
買い物と言う訳でなく、これから僕らは北へ向かうからだ。少しでも荷物を軽くしておこう、そう思って倉庫を呼び出してもらう。

さあ、準備は万端、行こう、ドラッキーちゃんと、北へ。

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早く回復薬を出さなければ。

焦れば焦る程手元がブレる、鞄の中を漁って出て来た物はポーションなんて上等なものではなく、白いプレートだった。違う、確かにあったあの薬はどこだ、軽くなった荷物をなんとかひっくり返そうと試みる。
ぶっちゃけられた中身から青い小瓶を見つけ出し一気に飲み込む。
不味い。呼吸が荒くなる。が、離脱する程には体力が回復したような気がする。
だが、万全には程遠い。

ここは白い氷の世界、白い息が紛れる程辺りはもっと白く、先程取り出したプレートといい勝負だった。
――唯一つ、頬から伝わる液体は、ぽつり、氷面に広がりその世界を僅かに赤くした。

少し遠くで戦闘音が聞こえる。ドラッキーちゃんが複数の敵から僕を逃がそうと戦っている音だ。
……情けない。いくら戦闘力のない職だって、僕は彼女よりも無力だ。
握りこぶしの中でプレートがひしゃげるのがわかった。

いつだったか場所を同じくして、一人の少年が凶刃に倒れ、一人の少女がその生命を分け与え心を壊した――そんな話を聞いたことがある。
途端血の気が引く、僕もここで終わるのか、否、それよりあの子がもし、もし、同じことをしたら……?
倒れる訳には行かない、冷えていく指先を震わせ、声を絞り出そうとする。
今すぐ彼女を呼び戻さなければ。薄れゆく意識の中、僕は、

――彗星。

僕は。
僕は、幻を見たのかもしれない。
美しく輝く彗星をこんな氷の世界で見るなんて。
しかしそれは強い軌跡となって、氷で乱反射位していき、更に美しく煌く。

氷……彗星……。

ああ、嗚呼、そうだ、彼女は。

「……氷彗、ちゃん」

「……はい。主様、お待たせしました」

初めて呼ぶ名にも彼女は呼応する。
全てをなぎ払い駆けつけた氷の彗星は、凛々しい。

そして思い出す。
これ――手の中でひしゃげたはずの白いプレートは今は固くしっかりとした一枚の板となっていて――は、『無地のネームプレート』、パートナーとなるべき相手に『名前』を与える、道具だ。
そっか、僕はこれを握っていたから、彼女に名前を与えることができたんだ。

「いいや、お待たせしたのは僕の方だ」

僕は彼女に差し出す、真っ白なプレートを。
否、それはもう真っ白ではなかった、『氷彗』と言う文字が刻まれていたからだ。

「ヒスイ、と主様は呼んでくださいましたね……この名前は、そう読むのですね?」

そのプレートを受け取り、彼女は、氷彗ちゃんは。
そっとその『文字』を指で撫ぜた。

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