アニメミライ本年度は無いらしいですが、アニメミライが業界に与えたものって北久保さんの実感としては何かありますか?また、アニメミライについて北久保さんはどのような印象を持っているのか教えてください

えーっと、先ず言っときますが、俺も仕事でアニメミライの作品を創るかもしれません。しかし、もし関わるとしても、それはあくまでも仕事だからです。で、アニメミライが業界に与えたのはぶっちゃけ「混乱」です。みなさんの夢をぶち壊す様な事を言いますけど、元々、国民の税金を使って「アニメ業界の人材育成」を目的にスタートしたプロジェクトですが、とにかくレギュレーションが厳し過ぎてスタッフも現場も保たないくらいタフ・オーダーなんですよ。業界歴三年以内の新人達を集めて、ベテランが描き直したりしちゃいけないという条件で、専用のスタッフルームが必要で、就労時間も決まってて、タイムカードを押すのは構わないんですが、残業はNGで、原画期間が確か三ヶ月だったかな?それで他社の作品と比較対象される訳で、その時にはクオリティー以外に作品の面白さまで審査される訳で。通常業務をこなしてる会社の中でそんなプロジェクトをブチ込んだら、殆どの会社はスタッフのスキルが高まる前に疲弊しますよ。更にぶっちゃけると、色々な黒い噂が絶えないんです。アニメミライ用に他所の会社から既に上手い新人をヘッドハンティングしたり、とか、管理組織の中で使途不明金が発覚して組織が分裂したりとか、さすがに金額までは言えませんが、ダークな話が絶えない。俺が個人的に思っている人材育成のアプローチは「過去の作品をリメイクする」という方法です。これならば、ビジネスにはならないし、完成した作品が元の作品と比べて技術的に上回っているか下回っているか一目で解るし、原画を描く新人にも優れた作品の模倣をする訳だから、短期間で高い効果が期待出来ます。今のアニメミライは「あわよくばシリーズ展開可能なトレーラーかデモリール作品」に成りがちで、それは国民の税金を使ってやるべきか?という疑問符が拭えないんですよ。

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