1年ほど前、気になる男性から告白されたのに、自分の気持ちに自信がなくすぐに返事ができませんでした。さらに何度か食事に行くうちに私も大好きになり、体の関係を持ちました。しかしその後付き合おうという話は出ず...。好きだったとはいえ、軽率だったと思います。猛省しています。彼と付き合えなかったことも辛いですが、彼に軽率な人間だと思われたんだろうなと思うと、胸が張り裂けそうです。今でもたまに仕事関係で会います。その度に精一杯の何でもない態度を取るのですが、本当は今でも大好きです。でも、もう手遅れですよね

なかなかお答えの難しいaskです。
手遅れか手遅れでないかということですと、僕にはなかなかわかりかねます。でもひとつ言えるのは、例えば手遅れであったとしても、あるいはまったくそうでなかったとしても、あなたが彼のことを好きであり続け、さらにそれと裏腹に彼に対してなんでもない態度をとり続けている限り、あなたのおかれている状況は変わることはないということです。
もっと言えば、手遅れかどうかは、あなたが確認しなければわかりません。いただいた文面から判断するに、関係がぎこちなくなってしまってからは1年も経っていなくて、それは素朴に考えれば短くはないですが長くもない時間です。流れてしまった時間より、あなたが精一杯なんでもない態度をとることを繰り返してきたことのほうが、事態としては重いと思います。
しかしみずからの振る舞いや態度であれば、改めることができる。それは時間を巻き戻すことができないこととは対照的で、ある意味で希望でもあります。

そのうえでもろもろの経緯について印象を述べますが、まず彼は、果たしてあなたのことをほんとうに軽率な人間だと思ったでしょうか。男性なりに考えてみると、僕はそこが少ししっくりきません。
軽率というのがつまり、そういう意味で奔放で「軽い」みたいな意味であるならば、しかしそれは彼もある意味で共犯のはずです。むしろ、彼のほうには自分が告白して答えてもらえていなくて、その状況の中で身体の関係をもってしまったのですから、あなたを軽率だと思うより、自分自身を軽率だったと自己嫌悪するほうが先に立つような、そんな気がしてしまいます。
どちらから誘ったのか、お酒でも入っていたのか、どんな形で身体の関係をもつことになってしまったのかは判然としませんが、告白したりそれに応えたりする過程に存在するであろう逡巡や手数について想像すると、薄暗い部屋に入って、下だけでも服を脱いでしまえばおおむね問題なくできてしまうセックスは実際よっぽど簡単です(だから貞操観念みたいなしくみがあるのだと思います)。
別にそのようなことを推奨するわけではありません。しかし、それはわかりやすいメルクマールのひとつではあるけれど、交通事故のようなランダムイベントのひとつととらえておくほうが健康的です。そこに一対一の好意がなんらかの形で存在したことを、少なくともあなたは知っているわけですから。
話が少し逸れてしまいました。
他人事として読んだり考えたりしていると、関係をもったあとに付き合おうと言い出さなかった彼は少しいくじがないと思いますが、前述の自己嫌悪もあったのかな、と考えてみると少しかわいそうにもなります。
一方で、あなたは彼に対して、身体の関係を許す(許してしまう)以外のシグナルをなんらか送ったでしょうか。有り体にいえば、告白の返事ができていないのはあなただったのだから、あなたから何か言ってみるという形だってあり得たはずです。
「付き合おうという話は出ず」とおっしゃいます。
でも、付き合おうなんていう重大な話、何もないところから湧いて出てくるものではありません。彼はそのような話をしなかったし、あなたもしなかった。それだけのことです。
恋人関係が生まれる余地がそこにあったとしても、これではなにも生まれてきませんね。困りました。
あるいは、そのときにはもう彼の気持ちはなくなってしまったのでは、と思われるかもしれません。しかし前述のように、僕は彼があなたのことを軽率だと思って評価を下げてしまうようなことはあまりあり得ないと思っているので、もしあなたのことを好きな気持ちがその時点でなかったから付き合おうという話を出さなかったのであれば、身体の関係うんぬんとは関係なく、それ以前の時点で気持ちはなくなっていたということになります。

うだうだ述べてきましたが、つまりはあなたが後悔すべきことがあったとすれば、何か(セックス)をしてしまったことではなく、何かをしなかったことで、逃してしまったものがあるかもしれないということで。
そしてそれは、あなたのいまの状況とも重なります。
どのような経緯でそのような距離感に至ってしまったのかはわかりません。もっといろいろつらいことも実際はあったかもしれない。もしそうであれば申し訳ないですが、いただいた質問文から素朴に思うのは、いまでも大好きな気持ちがあるのであれば、なんでもない態度をとるのではなく、そのエネルギーを少し前向きに使ってみませんか、ということです。
自分からいくのは、どちらかというと苦手でいらっしゃるのでしょうか。でも、いきなり告白しなさいとか、もう一度身体の関係をもちなさいとか言うのでは、もはやありません。食事にでも誘ってみましょうよ。結局のところありきたりなご提案になっていますが、どこまでもそう思います。
だってそうしないと、その「なんでもない態度」が、実は「なんでもなくない」ということは永遠に伝わりません。それが伝わらない限り、あなたがたの関係やあなた自身の気持ちは、時間の流れとともに「手遅れ」の境地に向けて確実に進んでいきます。
あなたのとった行動がすべてよい方向につながる、なんて無責任なことはいえません。ひとりで過ごす数ヶ月間は、新しいひとと出会って恋人をつくるにはじゅうぶんな時間でもあります。つまり、もしかしたらすでに手遅れなのかもしれない。だけど、窓をひらいて確認しないとそれはわからないじゃないですか。

今夜は少し調子がよくて、長々とお答えしてしまいました。
僕はどこまでも正直な印象を述べたまでですが、どうか少しでもあなたの心に引っかかって、少しでもよい方向に動かすことができていたらいいな、と思います。

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