お題:本文のどこかに「はる」の二音を忍ばせる。ゴースト:任意
_夢の世界へ。夢の中へ。微睡みの底へと深く深く沈んでゆくと、夢の世界へたどりつく。波風のない、安寧の世界。
_その中で、一人の少女と出会った。白髪の女子学生で、白い肌と虹彩の薄い赤い目はどこかアルビノを思わせる。長い髪の毛は翼のような形状をしている。不思議と奇妙とも怖いとも感じなかった。ただ、そこにいるという感じだ。
_感じるのはぼんやりとした微睡み、そして更に下へ下へと体が引っ張られるような感覚。彼女のいるここは夢の入り口、何もない場所。
_彼女はただ俯いて、焦点の合わない目で延々と自分の見た破天荒な夢を語る。まるで、夢の世界へ向けて言い聞かせているようだ。
「大きいトカゲを見たの。地球を玉乗りして、どこまでも転がしていったの。夢で」
_意味も脈絡もない話。彼女は一体何者なんだろうか。
「たまに、目を覚ますことがあるの。夢で」
_何者なのかどこに住んでいるのかと訪ねても、意味のある言葉は帰ってこない。夢の世界の存在なのかもしれない。
_夢の世界は、記憶の整理などではない。こうして考え、話していると、夢の世界こそが自分の居場所と感じることがある。
_次第に、生きるための最低限の収入と食事を取る他は、全て夢の中で過ごすようになった。夢の外の世界はあまりにも住みづらい。
_台風による波風を沈める神話のカワセミ。苛立った精神を沈めてくれる、その名を模したハルシオンという睡眠薬。弱い睡眠薬だが必須になっていた。
_夢見る時間が次第に長くなってゆく。起きている時間と逆転してからは、もう外の世界のことなど覚えていない。
「私自身が空虚な存在と気づいて、体が崩れていったの。夢で」
_彼女は変わらず、外の世界との境界に立っている。彼女が見ているここが、生きるべき世界だったんだろう。
_覚えている必要もないのだ。近いうちに、完全に外の世界を夢見ることもなくなるだろう。
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キャラクター自体を夢オチにしてしまう暴挙に出ましたごめんなさい。
_その中で、一人の少女と出会った。白髪の女子学生で、白い肌と虹彩の薄い赤い目はどこかアルビノを思わせる。長い髪の毛は翼のような形状をしている。不思議と奇妙とも怖いとも感じなかった。ただ、そこにいるという感じだ。
_感じるのはぼんやりとした微睡み、そして更に下へ下へと体が引っ張られるような感覚。彼女のいるここは夢の入り口、何もない場所。
_彼女はただ俯いて、焦点の合わない目で延々と自分の見た破天荒な夢を語る。まるで、夢の世界へ向けて言い聞かせているようだ。
「大きいトカゲを見たの。地球を玉乗りして、どこまでも転がしていったの。夢で」
_意味も脈絡もない話。彼女は一体何者なんだろうか。
「たまに、目を覚ますことがあるの。夢で」
_何者なのかどこに住んでいるのかと訪ねても、意味のある言葉は帰ってこない。夢の世界の存在なのかもしれない。
_夢の世界は、記憶の整理などではない。こうして考え、話していると、夢の世界こそが自分の居場所と感じることがある。
_次第に、生きるための最低限の収入と食事を取る他は、全て夢の中で過ごすようになった。夢の外の世界はあまりにも住みづらい。
_台風による波風を沈める神話のカワセミ。苛立った精神を沈めてくれる、その名を模したハルシオンという睡眠薬。弱い睡眠薬だが必須になっていた。
_夢見る時間が次第に長くなってゆく。起きている時間と逆転してからは、もう外の世界のことなど覚えていない。
「私自身が空虚な存在と気づいて、体が崩れていったの。夢で」
_彼女は変わらず、外の世界との境界に立っている。彼女が見ているここが、生きるべき世界だったんだろう。
_覚えている必要もないのだ。近いうちに、完全に外の世界を夢見ることもなくなるだろう。
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キャラクター自体を夢オチにしてしまう暴挙に出ましたごめんなさい。