はじめまして。ブログを読んでくださっているのですね。ありがとうございます。
落ち込みや自己嫌悪に陥った際、気持ちを上げたり、落ち着かせたりする方法。接客のお仕事をする上で気持ちを掻き乱されないようにする方法。
お答えします。そんなものがあるならわたしが知りたい。ないです。ないですよう。回答としてひどいですが、ないもんはないんだからしょうがねえだろそんなもん。すみませんやさぐれました。やさぐれた言葉遣いって平仮名が多くなるのでかわいくて好きです。
で、ないからといって腹を括って受け止め噛みしめ明日からの自分をよりよく変化させる努力の糧にするかというと絶対そんなこともしてないです。あががががやだやだだだだうわぁあん。としか思ってません。
落ち込みや自己嫌悪から目を背け(あまり背けられませんが)、気を紛らわせ(あまり紛れませんが)るためのあがき、というのはたぶんいろいろやっています。「始めからこのあたしに期待なんかしてなかったでしょう!」と叫んでみたりとか。嘘ですよねそんなの。してないつもりでそこそこしちゃってるんです、何度裏切られたかわからないというのに。
仕事上でのダメージについても同様で、わたしにできることといえば、掻き乱されてしまった後にオロオロと困ることだけ。そしてオロオロしている自分を気の毒がったり同情したり甘やかしたり、一緒に泣いたりすることだけです。
接客中に、ああ、これ、あとでうんと心を乱されちゃうタイプの仕事、かな?という時は、うすぼんやりとしています。面と向かっている最中は、おそらく極端に共感(という言葉で適切なのかわかりませんが)しているため、麻酔がかかったような状態になっていることがとても多いのです。
お別れをして車に乗り込み、景色がずいぶん変わるうちに少しずつ心が黒くなります。家につき服を脱いでメイクを落とした頃に、やっとわたしはわたしの傷の全貌を見ることになります。
ああ、乱されちゃったね。
乱されちゃったよ。
わたしはひとりの人間ですが、このような時は一時的に分身の術により頭数が大幅に増えます。そして顔を見合わせ、肩を寄せ合い、みんなで口々に同意し合います。
怖かったね。
怖かったよ。
むかついちゃったね。
むかついちゃったよ。
教養のある方はお気付きのことと思いますが、これは「もう中学生」のあの節をつけて、言います。
悲しかったね〜。
悲しかったよ〜。いろいろとまあいいや、という空気をひとりで演出することができます。
自分が傷ついたこと、それに際し無力であったことをあらためて認めると、いつの間にか3粒くらい泣いていることもありますが、ゴシゴシ拭き取ると美容に良くないと聞きましたので、コットン(無印良品の無漂白コットン)に適当に吸わせて、寝てしまいます。目を覚ますとまだ見たくないものがそこにありますが、眠る前よりほんの少し、遠くに来ることができます。
ところで、あなたが「対人恐怖症を克服するため」以前わたしと同じ職に就かれていたとのこと、率直に申し上げて、驚きました。人に接すると緊張される、とありましたが(こうして画面を介して文字で会話することはあまり辛くはないでしょうか、たくさん書いてしまっているので、大丈夫だといいのですが)、克服するためにとこの世界へ飛び込むこと、たいへんな勇気が要ったことと思います。もしわたしが同じ境遇にあったとして、そのような決断が出来るかどうか。どう見ても不得意なことを、あえて選択して自分に課す強さがわたしにあるか、とても自信がありません。良い結果にならなかったと思っておいでかもしれませんが、それとは別に「自分の意思でやると決めて、そうした」ということが、わたしに圧倒的な尊敬の念を抱かせます。
働いていらしたとき、あなたは確かに人の手やくちびるを暖めました。それは、誰にも変えることのできない事実です。世界は少しだけ、暖かい方に変わったのです。
えらかったね〜。
えらかったよ〜。本当にね。
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