中2電磁誘導の質問です。教科書には普通、棒磁石を出し入れすると流れる誘導電流の向きが図示できるようなコイルのイラストつきで解説されると思うんですが、"磁力線を減らすような方向(親指方向)に磁力線を発生させるように"誘導電流が流れることは理解できても"誘導電流が流れる向き"までは説明できてないように思えます(画像が貼れないのが残念)右ねじの法則の親指は磁力線であって電流方向ではありませんし、電磁誘導を説明するイラストを見るたびに誘導電流の方向が異なっているため、誘導電流の方向について理解ができていません。ご教授ください。

電磁誘導を厳密に説明しようとするとマクスウェル方程式を使わないといけませんね。画像上から2番目の式を見て下さい。右の積分形の方が直感的で分かりやすいかと思うのでこちらで。
左辺は電場Eの周回積分、つまり電場を任意の閉曲線にそって足し合わせた(閉曲線の接線方向dlの成分を足し合わせた)量を意味しています。また右辺は「その閉曲線によって作られる面S」を貫く磁束密度Bの時間微分です。まあつまり、任意の面Sについて、Sを貫く磁束(=磁束密度の面積分)の変化が、Sの境界部分の電場になってます、という意味ですね。ここまでは質問者さんがご存知の話を厳密化しただけ。

で、ご質問にあったのは誘導電流の向きです。なので、この式の正の方向の定義や符号について考えてみましょう。

ここで鍵になってくるのが「右ねじ」です。電磁誘導だけでなく、すべての物理数学において、右ねじは三次元の座標を考える上での基本的な取り決めとなっています。例えばz軸の向き。z軸の向きは、「元となるxy平面上での正の角度(つまり反時計回り)に対する右ねじの方向」として定義されています。右手の人差し指~小指を正の角度方向に向けた時の親指の向きがz軸の正の方向だよ、ということですね。ベクトルの外積(ローレンツ力や角運動量を表現するのに使いますね)なんかもそうです。A × B = C という外積があった場合、ベクトルAからベクトルBに向かう方向に対する右ねじの方向(ベクトルAからベクトルBに向かう方向に右手の人差し指~小指を向けた際の親指の方向)がベクトルCの正の方向です。そしてこれは今考えている周回積分についてもそうです。面Sの縁を周回する方向に対する右ねじが、右辺の正の方向なのです。

これを踏まえてコイルにN極を近づけるケースを考えてみましょう。分かりやすくするためにコイルを水平面(xy平面)に立てて設置し、鉛直上向き(z軸の正の方向)からN極を接近させます。N極が遠くにあるときはコイルの断面Sを貫く磁束密度Bは小さなマイナスです(上から下に貫いているためマイナス)。N極を近づけるとSを貫く磁束密度Bの絶対値が大きくなるため、磁石を近づけると大きなマイナスになります。つまり、この場合Bの時間変化(右辺の∂B/∂t)は減少なのでマイナスです。そして式には元々負号がついてますよね?だから右辺全体はプラスとなるわけです。右辺がプラスということは左辺もプラス。さて、左辺はどちら方向を正としていたんでしたっけ?……そうです、「右辺の正の方向に対する右ねじ」でしたね。今、z軸の正の向き(すなわち鉛直上向き)を「右辺の正の方向」としているので、左辺の正の方向はxy平面の正の角度方向、つまり反時計回りで、この方向に電場が発生するというわけですね。電流は電場によって電荷が動くことによって生まれるので、反時計回りに電荷が生じる、というわけです。

……とまあ長々と解説してみましたけど、どうでしょう?実際にテストとかでここまでやるのは時間が掛かりすぎてしまいますので、一度詳細な部分を理解したら後は中学理科・高校物理にあるような暗記に頼ってしまうのが賢いと思います。

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