アマルティア・センをどう評価されますか?

経済学者としての業績はわかりませんので、あくまで規範的な議論のほうで。

センは実践的な場面での正義の実現方法を重視するため、具体例を多く使った議論をします。なので、いきなりの抽象的な話はちょっと、という方には取っ付きやすいと思います。近著『正義のアイデア』とか、ロールズやノージックといった著名人の議論を遡上に乗せて、それちゃんと現実に使えるのかよオラオラ、と攻め立てていて楽しいですよ。その代わり、概念的な部分での詰めはどこまでちゃんとしているのかなあ?というのはどうしても気になりますが。

ここしばらく、ヒラリー・パトナムが事実と価値の二分法を攻撃する文脈でセンを取り上げていて、そっち方面からの注目も(うまくいってないとは思うのですが)ちょっと面白いかなと思っています。capabilities というときの、事実なのか価値なのかよくわからない中途半端さに着目するものですね。翻訳が出ているものだと『事実/価値二分法の崩壊』にありますし、それに触発されてわりといろんな人が議論を続けています。

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