一般の方に「法哲学ってどういう学問なんですか?」と尋ねられた時には、どのように説明しますか。

 親戚の集まりとかでまるっきり社交辞令的に話すときは、「どんな法律を作るのがいいかとか、その基礎のところを考えています」とかいうと、へぇ、そんなもんかいね、となります。もう少し話が通じそうだったら、「サンデル先生の白熱教室ってありましたよね、だいたいああいうのです。たとえば◯◯の問題だと…」みたいにふくらまします。

 もっと説明する必要がある場合、法学部一年生相手とか、他分野の研究者相手とか、TPOに応じていろいろ分けています。そこで法とか正義の基礎のところを原理的に考えています!…とかいっても通じるわけがないんですよね。なので、相手の興味関心とか、そのときどきの時事問題などに絡めてちょっと面白い視点を出してみる、なんてことをやってみるのがいちばんいいのかなと思っています。
 
 具体的に、最近の例だったら、婚外子の相続差別違憲決定の問題とか。これ、婚外「子」っていうから、なんだか子どもかわいそう…みたいになって話にバイアスがかかっちゃうけど、じゃあ、もう英語にしちゃいましょう。英語だと相続人は「エア」といいます…はい、なんか別物になりましたね、なんて笑いをとって、んで、この heir はエイチを読まないことからわかるようにモトはフランス語です。そうするとイギリス法ではもともと相続ってどういうもんだったかというとですね…、というふうに比較法の話に持っていったり。あるいは、この決定ではエアの間での平等が問題になっているけれども、なんでそもそもエア間に限られているのか。わたしもエアになりたいんですがどうしたらいいですか、といったふうに、平等とは何か、家族とは何かといった話につなげていくとか。

 んで、こんな変なことを考えてみると、日常的に当たり前だと思っていることがなんとなく揺らいできて頭がやわらかくなってきます、それは法律を考える上でもすごく大事なことです、なんてまとめる感じです。専門家以外の方に話す機会が最近はけっこう多いので、こういうネタをいろいろストックしているところです。

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