政治的リベラリズムってどうなんですかね。(外国での評価や人気、吉良さん自身の評価など)

 各種の新しい民主主義理論(熟議とか闘技とか)に限ってみれば『正義論』よりもよく使われてきた気がしますが、内実はどうだろう。実質的な議論をどうこういうよりは、そういうのの源流のひとつにロールズを位置づけることで箔をつけるみたいな使われ方が多かった印象がしています。
 あの本そのものはほどよく自己完結したセットなので、そこから何かふくらますとか、強烈なアンチをぶつけるとか、あんまりそういうのでもないんじゃないかしら。「ああ、そうですか」で終わってしまうようなところがどうしてもあるというか、個人的にもなんかそんなに積極的に言いたいことは出てこないです。後期の著作だと『万民の法』のほうが、ロールズのダメなところが一気に凝縮されていていいものです。

View more