法社会学で特にお勧めの本はありますか?

 すぐ読めるものとして一般の方に(も)ぜひおすすめしたいのは、河合幹雄『日本の殺人』(筑摩書房[ちくま新書]、2009年)など。統計を駆使し、「殺人事件」についてなんとなく持ってしまっている思い込みをどんどん突き崩していくさまは、これぞ法社会学というスリリングさに満ち溢れています。さらに興味を持たれた方は、同著者の『安全神話崩壊のパラドックス――治安の法社会学』(岩波書店、2004年)もどうぞ。「治安」というものがどれほどあやふやな思い込みで形成されるのかがよくわかります。
 講義で参考書に指定しているのは、ダニエル・フット『裁判と社会――司法の「常識」再考』(NTT出版、2006年)など。「司法」について我々が抱きがちな、たとえば「日本人は権利意識が未熟だから訴訟が少ない」といった常識とはまったく違う見方をもたらしてくれます。

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