古市憲寿さんや荻上チキさんなどをはじめとする近年の「若手論壇」についてどのように思われますか?

.荻上さん自身の社会学的な著作についてはほとんど読んでいないのでよくわかりませんが、「シノドス」のような若手中心の知のプラットフォームを構築・運営していることは素晴らしいことだと思います。
.「若手論壇」というのは日本では伝統的に、もうそれこそ小林秀雄とかの時代からニューアカを経て、そして最近の「ゼロ年代」の批評家あたりまでずっと、文芸批評的なところから出てきていまして、それはそれで刺激的な議論を展開してとんがった若者を引きつけてきました。ただ、そうした人々がいざ「社会」について語る段になると、現実の制度を無視した空理空論になってしまうことが残念ながら多かった。1980年代以降、社会学をバックグラウンドにした論者の登場で多少、状況が変わった面もありますけれども、それでもそこまでではない。一方、「シノドス」は社会科学の、それもこれまでであればアカデミックな世界にずっといたはずの人々を積極的に登用し、「制度」について自覚的に語られる場を作り出しています。これは日本の、少なくとも戦後の論壇史において相応に画期的なことではないかと思っています。

.古市さんについては、よく読んでみると意外と外していない、というところがけっこうあるんじゃないかなあ。少なくとも社会学のいろんな蓄積を相応に踏まえたものではあるでしょう。そういう蓄積があるとはまったく見せかけず、いかにも思いつきでゆるふわなことを言ってるように見せかける芸がずいぶんとうまいんだろうと思います。そんな芸でいったいどんなトクをするのか、というところですが、これだけ大人たちを怒らせているんだからたいしたものでしょう。

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