市民とかシティズンシップとか言う概念がよくわかりません。個人と何が違うのでしょうか?

.市民というのは訳語としてあまり好きではないので、私は「公民」にしていますが、それはそれとして、1) ある政治共同体に属する成員(メンバー)であるという「資格」として、また、2) その共同体のあり方に責任意識をもってアクティヴに政治参加する人々という「性質」として、の2つの意味が通常は(混ざりながら)あると思います。単に「個人」というときには、そうした積極的な意味が必ずしも含まれないことが多いでしょう――もちろん、国家権力や共同体に対する権利享有主体としての意味合いを強く出す場合はあります。自民党憲法改正案で、「個人」が単に「人」に変えられたのはそうした「個人主義」的なニュアンスを嫌ったからだ、と批判されることもありますが、まあこれはどうなんでしょう?
.「シティズンシップ」というのは上述の「市民」「公民」の説明とほぼ重なると思いますが、こちらは「資格」「地位」の意味がやや強くなるのかなあ、という感じです。といってもまあ、どのあたりに重点を置くかで論者の関心がかなり強く出るので、個別に見ないとよくわかりませんが……。1) 一定の要件を満たせば自動的に与えられる法的地位としての形式的な側面と、2) 共同体への一定の「貢献」があれば認められる「仲間」という実質的な側面の両者をいろいろ揺れ動いている、と整理すればわかりやすいのかもしれません。

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