内閣法制局が憲法解釈を決定する機関となっていますが、これはどのように正当化されているのでしょうか?

.1) 内閣そのものは1~数年ぐらいでどんどん変わってしまうので、一定の自律性と継続性を備えた機関が憲法解釈を「実質的に」担うことによって法的安定性を担保することが重要、というプラグマティックな正当化、1') とりわけ付随審査制をとる日本においては、典型的には集団的自衛権の合憲性のような問題について司法審査が及びにくいので、その点でも解釈の安定性を担保する仕組みが必要、2) 内閣法制局の解釈は「決定」では全くなく、あくまでその責任主体は内閣である、という法的な説明、とかでしょうか。両者は一見したところ相反する面がありそうですが、一応は異なるレベルの話なので両立可能です。日本政府は 1) 1') を暗黙の前提にすることで責任主体を曖昧にしてきた、ともいえそうですが、そこで安倍首相が 2) のようなことを言い出したのは(いいか悪いかはともかく)新しい動きといえます。
.では内閣にどれだけの「解釈改憲」の権限があるかというと、まあ難しい問題ですね。1) 1') の法的安定性の要請もあり、あるいは司法審査が及びにくい問題であればそれだけ憲法尊重擁護義務が強く求められる、ともいえますが、これも嫌な言い方をすれば「お説教」に近いところがありまして、実際に変えられてしまったらさてどうするか。それを覆す仕組みを日本国憲法は内在的には有していません。なので、結局は選挙による国民の審判に委ねられる、という安倍首相の見解は、相応に本質的なところを突いているわけです。

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