日本で特に法概念論が充実している法哲学の本にはどのようなものがありますか?

.現代的な議論に絞りますが、中山竜一『二十世紀の法思想』(岩波書店、2001年)は、法概念論中心の教科書でとても有益です。さらに踏み込んだ話に興味をお持ちでしたら、深田三徳先生の一連の著作は英米系の法概念論の論争史をずっと追いかけていますので、ご関心に応じてご覧になってみてください。最新のものだと『現代法理論論争』(ミネルヴァ書房、2004年)などは、ハート『法の概念(第二版)』の「あとがき」以降の非常に錯綜した法実証主義論争までフォローしていて勉強になります。そうした法概念論争を踏まえたうえで、さらに独創的な法概念論を展開しているものとしては、井上達夫『法という企て』(東京大学出版会、2003年)など。あとは、最近の研究者は法概念論に取り組むことが多くなっていますので(しばらく正義論が流行したことへの反発?)、これからしばらくのあいだに本格的な研究書が続々と出てくるのではないかと思います。
.まあでもこのへんの議論はだいたいむちゃくちゃ難しいので、かなり通好みという感じではあります。とりあえず中山著をご覧になってみて、おお、こういうの面白そう!と思えたらというところですかね。

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