立法と法哲学はどう関係するのですか?立法と聞くと、実務的でどちらかというと政治学の対象のような気がするのですが。

.確かに法哲学は、ドゥオーキンの議論が典型的ですが、法を「司法モデル」で考えることが伝統的に多く、そのせいで「?」という印象があるかもしれませんね。しかしたとえばベンサムの法哲学が基本的に「立法の哲学」(より広くいえば統治の哲学)だったことを思い出してもらえればそれほどの違和感はないのではないでしょうか。司法モデルで考えるにしても、具体的には違憲立法審査の民主的正統性の問題などになりますが、立法権との緊張関係がつねに意識されているのは確かですので、これまでの法哲学全般で、直接的にではなくともずっと考えられてきた問題領域ではあるといえます。
.そこには「よりよい立法のあり方を探るためにはどうしたらいいか」というのが基本的な問題関心としてあると思いますが、もちろん、これまでの法思想の知見を生かして積極的な提言をするのもありです。ただ、「よい」立法がどういうものであるかはなかなかわかりにくいのが実際でもあります。なので、ダメなものならまだわかりやすいということで、ダメな立法がなされにくい「消極的な」仕組みをどう構想するかとか、あるいは「より」よいといった表現にみられるように、現状からの漸進的な改善を考えたりする傾向がどちらかといえば強いのではないかと思います。そのなかではもちろん政治学、とりわけ政治過程論などの協働が必要になってきますし、実際、積極的な対話が試みられています。

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