労働は義務ですか?

.「国民の三大義務」の条文を憲法で実際に見てみましょう。
「第二十六条二項 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」
「第二十七条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」
「第三十条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」
.すぐおわかりのように、勤労の義務については「法律の定めるところにより」という文言がありません。これは他の義務を果たさなければ一定の罰則があるのに対し、勤労の義務については違反に対する法的制裁は予定されておらず、したがってそれは法的義務というよりは道徳的・精神的な訓示規定である、というふうに解されています。働かなかったからといって強制労働させたり、そうでなくとも罰金とか課したりすれば、第一八条の「意に反する苦役」の禁止とかにひっかかってきますからね。
.とはいっても、健康で働く能力がありながら働かない人には、第二五条の生存権の保障が及ばなくなる、具体的には生活保護がもらえなくなるといった法的効果はある、とも解されています。

.ではついでに応用問題(?)ですが、「第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」という憲法尊重擁護「義務」にも同様に「法律の定めるところにより」という文言がありません。さてこれはなぜでしょう。

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