法思想史の本ってヨーロッパ思想が中心ですが、日本の法思想について書かれたものはありますか?

.たとえば、野田良之・碧海純一編『近代日本法思想史』(有斐閣、1979年)などがありますが、あまり体系的な感じでもないですね*1。ほかには、長尾龍一『日本法思想史研究』(創文社、1981年)、『日本国家思想史研究』(創文社、1982年)、『日本憲法思想史』(講談社、1996年)などは、長尾先生のご関心がかなり強く出てはいるものの、日本法思想史という点では欠かせないものでしょう。ほか、思いつくままに並べてみると、
.中村雄二郎『近代日本における制度と思想――明治法思想史研究序説』(未來社、1967年)
.渡辺洋三・利谷信義編『現代日本の法思想』(日本評論社、1972年)
.宮沢俊義・大河内一男監修『近代日本思想史大系〈7〉近代日本法思想史』(有斐閣、1979年)
など。「法」が入るとそこまで文献は多くない感じです。「思想史」の大きなくくりだと、講座モノがたくさん出ていますので、そのなかで法思想的なものを探るのもいいかもしれません*2。
.戦後日本の法思想史になるとまだあまり「歴史化」されてないのか、教科書的に述べる文献はほとんどないように思いますが、笹倉秀夫『法哲学講義』(東大出版会、2002年)25章にいろいろ述べられていて勉強になります。そこで紙幅を割いて扱われている法解釈論争については、来栖三郎『法とフィクション』(東大出版会、1999年)などを直接ご覧になるのがいいと思います。
.あとは、個別的な研究(思想家ごと、あるいは憲法、民法や刑法など法領域ごとの思想史)は論文レベルだとたくさんあります。また、特に明治以前のものだったら、はっきり「法思想史」というよりは日本法制史や日本政治思想史の一部として扱われているもののほうが充実しているのではないかと思います。

*1 以下で目次と解説が読めます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jalp1953/1980/0/1980_0_225/_pdf
*2 参考、
http://michikusanowiki.wiki.fc2.com/wiki/%E8%BF%91%E4%BB%A3%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%80%9D%E6%83%B3%E5%8F%B2%E3%81%AE%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E6%96%87%E7%8C%AE

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