ゼミで世界正義論を教材に使うことになったのですが、前提としてこれは読んだほうが良いおすすめの本はありますか?

.井上達夫『世界正義論』でしょうか。たぶんいきなりは相当に難しいですので、ある程度、具体的な問題を扱っている本を使って導入にするのがいいのではないかなあ、と思います。入手しやすいものを並べると、たとえば以下のようなもの。

最上敏樹『人道的介入』(岩波書店[岩波新書]、2001年)★
ピーター・シンガー『グローバリゼーションの倫理学』(昭和堂、2005年)
ジョン・ロールズ『万民の法』(岩波書店、2006年)
アマルティア・セン『人間の安全保障』(集英社[集英社新書]、2006年)
マイケル・ウォルツァー『戦争を論ずる――正戦のモラル・リアリティ』(風行社、2008年)
押村高『国際正義の論理』(講談社[講談社現代新書]、2008年)★
伊藤恭彦『貧困の放置は罪なのか――グローバルな正義とコスモポリタニズム』(人文書院、2010年)
トマス・ポッゲ『なぜ遠くの貧しい人への義務があるのか――世界的貧困と人権』(生活書院、2010年)
デイヴィッド・ミラー『国際正義とは何か――グローバル化とネーションとしての責任』(風行社、2011年)

.だいたいこんなところで、井上先生が出されている世界正義論の一通りの枠組みは押さえられるのではないかと思います。学生向けにはとりあえず★の新書など。あとは移民問題があればいいんですが、総論的なものを思いつかないのですみません(何かあると思いますが)。アンチグローバリゼーション系のエキセントリックな著作も、そっち系の問題意識を知る上では有益ですが、とりあえずはこういうものの後のほうがよいのではないかと思います。

View more