イスラム国の人質問題ですが、僕は完全な自己責任論には非常に違和感を感じます。ただなんの根拠があってのことでもないのでその違和感にイマイチ自信もないです。 キラ先生はネトウヨ的な主張と自己責任論との整合性を疑問視されていますが、具体的にいうと、普段は個人の国への従属を理想としている人たちが、いざとなったら国の一員である個人を見捨てるのは変ということでしょうか? 僕は、彼らのいう「国民」というのはその理想を共有する人に限られ、それ以外の国に迷惑をかけるような個人は「非国民」になる訳で見捨た所で一応整合しちゃうんじゃないかと思いますが、結局自己責任論なんてネトウヨの妄言だと考えるのも危険でしょうか?

.左側の福祉国家主義も右側の権威主義も要するにナショナリズムの表れ方の問題ですが、自己責任論にそれが批判できるかどうかですね。いずれも拒否するというのであれば一貫した立場になりうると思います――なので必ずしも「妄言」と片付けることはしません。
.ただご指摘の通り、おそらく現状の自己責任論は、気に食わない人を「非国民」として切り捨てる論理でしかないんでしょう。でも、ネーション意識というのもふたつの方向があって、いろんな基準をたくさん作って「敵」を切り捨て「国民」を純化していく求心的な方向がひとつ(例:君が代の斉唱拒否問題)。そして、そういう基準を一切拒否して「ただ日本人だから」というだけで有無を言わさず包摂していく遠心的な方向がもうひとつ(例:拉致問題)。ナショナリズムの歴史はその両極端をつねに揺れ動いてきましたが、前者はたいがい先細りの内向きの道で、今回のような対外的危機ともいえる問題においては後者のほうがネーション意識を高めるのに役立つわけです。政府の中の人(の少なくともできのいい連中)が「自己責任論」をまず唱えないのはそのへんのネーション意識の力学に自覚的だからですね。

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