アマルティアセンの著作の中で先生が最初に読まれたのは何でしたか?というかどこから手をつければ良いのか…

.学部3年のゼミ発表で『合理的な愚か者』(勁草書房、1989年)を扱ったのが最初だと思います。合理的経済人モデルの批判。どうもあまり理解できていなかったようで、「なにこれ、他に同じ題名の本を書いたセンって人がいるの?」というきつい指摘をいただきましたが……(>_<) でもたぶん、たくさん出てる新書とかを除いて、法・政治哲学系の本としてはこれがいちばん読みやすいのではないかしらん。
.あとは大量にありますし、テーマもいろいろなので、お好みでという感じです。ガチ経済学の本は私には手に余るものばかりなので何も言えません。政治哲学系の本だと、『不平等の再検討』(岩波書店、1999年)が、ケイパビリティの平等など、センの基本的なアイデアがよくわかってよいと思います。あるいは、『貧困と飢饉』(岩波書店、2000年)は具体的なエピソードが豊富で、私も授業でいろいろ使わせてもらっています。一方、最近の『正義のアイデア』(明石書店、2011年)になると分厚すぎますし、内容も気ままに書き散らしたいいかげんなところが目につくのでいきなりはおすすめできません。
.研究書としては、若松良樹『センの正義論』(勁草書房、2003年)が、セン理論の全体の見取り図や、他の論者と比較したうえでの特徴を知るのに最良のものだと思います。まずは若松先生の本を読んで、面白そうに思ったテーマから原著にあたっていくのがよさそうです。

View more