井上先生の立場で「憲法を改正して自衛隊の地位を明記する」という選択肢がないのはどうしてですか?(素人向けに解説してくださるとありがたいです...)

.ごく簡単にいえば「憲法というのはそういうのを書くものではない」ということです。民主的熟議のための不可欠の枠組みを作るのが憲法の役割で、要するに人権保障と統治機構ですね。「立憲主義」もそういう最低限のものとして捉えられています。なので、安全保障のようにそのときどきの国際状況によって柔軟に対応する必要のあるものについては、民主的自己決定を最大限に発揮できるようにするべきで、憲法によってあらかじめ特定の選択肢を排除するのは「少数派の支配」を認める――3分の1がゴネれば何も決まらない――欺瞞的なものである、といった筋になります。ざっくりとした構造としてはそんなところですが、井上先生の場合はその他いろんな話が全部つながってこういう話になっているので、『リベラルのことは嫌いでも~』をご覧になったら、その他の本もぜひご覧になってみてください。
.なお、私自身もおおざっぱな方向性としてはこういう議論を支持していますが、細部ではいろいろ異なるところもあります(一例としては、憲法9条は自衛権について何も定めていないので、あえて削除しなくても同じことが言えるだろう、など)。以前に少し答えたものとしては、↓など。ちょっと強めの言い方をすると、憲法9条は立憲主義にとって端的に「異物」であり、両者をあっさりつなげて議論するのには乗れない、ということです。
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