法哲学の教科書を一通り読んだので次は翻訳で原書を読んでみたいんですがお薦めありますか。できれば現代の法哲学の議論にとって重要性が大きいのでとりあえずここらへん読むといいんじゃねみたいな本

.こないだ新訳が出た、H. L. A. ハート(長谷部恭男訳)『法の概念(第二版)』(ちくま学芸文庫)がお手頃でいいんじゃないかと思います。けっこう気ままにいろんなことが書いてあるので、教科書でまとめられている印象とは違うところもあるはずです。よくわからないところもたぶんあると思いますが、古典とはそういうものなので、あまり気にせずどんどん読むのがいいでしょう。原著もそんなに高くないので、見比べながら読んでみるのもいいです。
.その後は、ハートのこうした議論に対してどういう反応が出てきたか、たとえばドゥオーキン(木下・小林・野坂訳)『権利論(増補版)』(木鐸社、2003年)などを読んでいくなど。ドゥオーキンの本は『法の帝国』ほか、どれも重要ですが、分厚くて議論が複雑なので、なかなかの歯ごたえがあります。でも少なくとも『権利論』『法の帝国』はいきなり読んでも面白い部分がたくさんあると思います。
.英米系はまずそのあたりですが、ドイツ系だとケルゼン(長尾龍一訳)『純粋法学(第二版)』(岩波書店、2014年)が最高峰とでもいうべき書でしょうか。いきなりこれはちょっと、という感じでしたら、『ケルゼン撰集』シリーズが木鐸社から出ていまして、たぶん古書店などにはけっこう安く流通しているはずなので、見つけたものから読んでみるのもいいと思います。また『ラートブルフ著作集』も同様に流通していまして、古典を読みたいけどいきなり細かい議論はちょっと、、、という場合にはとてもよい入口になりそうです。

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