そういえば、法哲学の読書案内はこれまでにもたくさんされてますけど、法思想史のほうはまだ(あまり)なかったような。と信じてお訊きします。法思想史の入門書や概説書、体系書でいいのありますか。

.講義で教科書指定しているのは、田中成明ほか『法思想史(有斐閣Sシリーズ)』(有斐閣、1997年)です。古代から現代までバランスよく取り上げられていて理解しやすいです。ただこれだけでは分量が足りないので、講義では恒藤武二『法思想史』(筑摩書房、1977年)を主なタネ本に使っています(法思想史でしっかりした本を1冊、というときはこれをおすすめします)。
.他に読みやすい概説書としては、加藤新平『法思想史(新版)』(勁草書房、1973年)、森末伸行『法思想史概説』(中央大学出版部、1994年)、長谷部恭男『法とは何か――法思想史入門(増補新版)』(河出書房新社、2015年)などがあります。概説的なことが一通り頭に入ったら、あとは岩波文庫とかで古典を直に読んでいくのがいいでしょう。たとえば、最初としてはイェーリング(村上淳一訳)『権利のための闘争』(岩波文庫、1982年)など。本書の内容そのものを理解するのはそれほど難しくありませんが、それだけでなく、「なぜこの時代にこういう議論が出てきたのか」ということを考えながら19世紀ドイツ法思想史の見取り図を作ってみると、「法思想史」を学ぶ楽しさが味わえるはずです――もちろん、そのためには本書だけでなく、前後の本を読んでいく必要があります。
.ほか、手に入りやすい概説書・体系書としては、矢崎光圀『法思想史』(日本評論社、1981年)、三島淑臣『法思想史(新版)』(青林書院、1993年)、笹倉秀夫『法思想史講義(上下)』(東京大学出版会、2007年)などがあります。このあたりは著者の問題関心が強く表れた構成になっていますので、入門的な本を読んだ後で、さらに深く学びたいときのガイドとして読むといいと思います。

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