大学教授の給料安くない?

.もちろん国公立と大手私大との格差、同様の学歴で一般企業に就職する人との格差、そして海外一流大との格差(による国際競争力の低下)とか、いろいろと問題もあります。しかし今回の「京大教授45歳940万円」が「え、少なすぎ…!」というふうに世間に受け止められて問題改善のきっかけになるかというと、そこはあまり楽観できないように思います。
.一般的なイメージとしてはまだまだ、実態は別として、大学教員は気楽とまではいわないまでもわりと好きなことをしている仕事だと思われているでしょう。記事中にある「書籍の印税や講演会で副収入が得られやすい」といった誤解も心配なところです。だからむしろ「もらいすぎ」という印象を広く与えてしまったのではないか。実際、一般労働者の平均と比べれば相当に高いわけです。
.これは別に大学業界のことを知らない一般の方がそう思うというだけでなく、もっと大きな政策につながるかもしれない話です。昨今のポスドク問題など考えるならばたとえ給料が低くても人材はいくらでも集まるのだから、この半分でも十分ではないか。それで人数を増やすほうが裾野が広がって競争力が上がる、というのもひとつの考え方ではあるでしょう(実際には給料が減って人数も減って、というシナリオのほうがありそうですが、それはともかく)。
.もちろん、そんなことすると海外一流大から研究者を呼べなくなりますが、一定の業績のある人にはそれに応じた上乗せをすればいい、というふうに、研究者の待遇をもっと徹底的に競争的にするのもひとつの選択肢ではあろうと思います。そうすると最終的に、一部のトップ大学以外は現在よりずっと低い給与水準になるでしょうが、それが忌むべきディストピアかどうかはちょっとわかりません。

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