今週って月曜日からで良いんでしょうか。
まず寒い朝に5回も目覚めなければなりませんでした。
冬になると努力してもなかなか布団から出られず、そのため朝飯がおにぎりになってしまいました。
だいたい毎日職場近くのコンビニで買う2個のおにぎりは食べられるんですが、一昨日は食欲なく1個しか食べ切れませんでした。
昨日もまたいつものようにおにぎりを2個買って、公園のベンチに座りバッグに手を入れました。読みかけの小説を取り出すためです。
バサバサ
俺は一昨日残したおにぎりが入ったコンビニ袋の存在を思い出しました。
1度に3つのおにぎりは食べれないし、賞味期限もあるし…
俺は食べ物を粗末にしてしまう罪悪感に後髪をひかれ、辺りに人の目がないことを確かめ、なんとか陳腐な言い訳で自分を誤魔化しおにぎりを捨てました。
そしてその日買ったおにぎりを食べるためベンチに戻り、包みを開けておにぎりを口に運びました。
バサバサ、バサバサ
ゴミを捨てるにしては長すぎなポリ袋の擦れる奇妙な音が背後から聞こえました。
不審に思い振り返ると
さっき俺が捨てたおにぎりを手に持つ仙人みたいな老人がいました。
俺がおにぎりを捨ててからの時間はほんの数秒です。
おにぎりを捨てる前には周辺の視線を確認もしました。
仙人はたぶん、いや、ほぼ間違いなくホームレスです。
彼はたぶん路上で生き抜くために、ありえないくらいに嗅覚が鋭く発達したか、あるいは気配を消す術を会得したか、はたまた瞬間移動を覚えたのか。
いずれにしろ俺には到底真似出来ないスピードで食料を調達しました。
そして仙人はおにぎりを食べます。貪るようにではありません。一口含んでは何度もゆっくり噛み締めて、視線はどこか遠くの空に向けられていました。
その時の表情はとても穏やかで、何かに感謝しているようでもありました。
なんかその表情を見ていたら、おにぎりを捨てた自分が情けなく思えましたが、あぁこうしてこの仙人の命は明日に繋がるんだなとも思い、良かったのか悪かったのか非常に複雑な思いをしました。
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