僕は、ピーター・シンガーやアリス・ウォーカー、ノ瀬正樹先生による動物についての文章を読んで以来、肉食を控えるようになりました。伊勢田先生は動物がお好きなようですが、動物解放について、問題点や実現の可能性など、何か思われるところはありますか?
日本において、そもそも動物解放という考え方が理解される日が来るのかどうかについて今は大変悲観的です。シンガーの動物解放論はなによりも「筋が通っている」ことが強みですが、日本でシンガーを紹介しても、その部分にたいしてあまりにも反応がなく、どうも倫理問題についてそもそも「筋を通す」ものだと思っていないのではないかという気がします。
あと、「動物だって植物だって生命を奪うんだから同じ」とか「植物だって苦痛を感じるかもしれないんだから動物だけ配慮するのはおかしい」とかいった反応は必ずと言っていいほど誰かから帰ってくるのですが、なぜこんな容易に再反論できる反論が根強く支持され続けるのかというのは現在の研究課題です。日本の人たちは他者に苦痛を与えるということについての感度がそうとう低いのか、あらゆる生命を大事にするという無理な規範を課された結果「どうせ守れないんだからそんな規範無視していい」という一種のモラルハザードが起きているのか、そういう感じではないかと思うのですが。
あと、「動物だって植物だって生命を奪うんだから同じ」とか「植物だって苦痛を感じるかもしれないんだから動物だけ配慮するのはおかしい」とかいった反応は必ずと言っていいほど誰かから帰ってくるのですが、なぜこんな容易に再反論できる反論が根強く支持され続けるのかというのは現在の研究課題です。日本の人たちは他者に苦痛を与えるということについての感度がそうとう低いのか、あらゆる生命を大事にするという無理な規範を課された結果「どうせ守れないんだからそんな規範無視していい」という一種のモラルハザードが起きているのか、そういう感じではないかと思うのですが。
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