いわゆる文系の学問にもいろいろあって、一応人文科学や社会科学などと呼ばれていたりもしますが、それぞれ方法論など随分違うと思います。科学哲学ではそれらの諸学問のどこかに科学とそうでない学問との線引きをする、というような問題設定はあるのですか?
社会科学については社会科学の哲学という分野があって、どういう研究が社会科学の名に値するかというのはその分野の一つの話題ではあります。ただ、名前がどうかよりも社会科学に特有の方法論というのはありうるのか、いわゆる質的研究をどう評価するのか、といった問いの立て方の方がよほどメジャーだと思います。
人文学の哲学はそもそも科学哲学の一分野としては成立していないと思います。もちろん科学哲学のこれまでの議論の蓄積を使って論じることのできるテーマだと思いますし、実際「歴史学の哲学」は一つの分野として議論が行われています。ただ、この議論は哲学者というよりも主に歴史家たち自身によって行われていると思います(わたしの授業でも一度Appleby et.al のTelling the Truth about Historyを使ったことがありますが、この著者たちも歴史家ですね)。
人文学の哲学はそもそも科学哲学の一分野としては成立していないと思います。もちろん科学哲学のこれまでの議論の蓄積を使って論じることのできるテーマだと思いますし、実際「歴史学の哲学」は一つの分野として議論が行われています。ただ、この議論は哲学者というよりも主に歴史家たち自身によって行われていると思います(わたしの授業でも一度Appleby et.al のTelling the Truth about Historyを使ったことがありますが、この著者たちも歴史家ですね)。