「正義論」「リベラリズム」を整理している本が知りたいです。法概念論には「二十世紀の法思想」という素晴らしいガイドがありますが正義論、あるいはロールズ以後のリベラリズムにはそれに対応するようなガイドは存在しているのでしょうか?蓄積されてきたものの量がそもそも違うかとは思いますが、正義論、リベラリズムという観点から先生が見繕うとするとどういったラインナップになりますでしょうか?よろしくお願いします。

.必ずしも「正義論」「リベラリズム」に限定せず、ロールズ以降の英米の法・政治哲学の整理といった観点から考えるのがよいかと思います。手に入りやすいものを並べると、
☆平井亮輔編『正義――現代社会の公共哲学を求めて』(嵯峨野書院、2004年)
☆仲正昌樹『集中講義!アメリカ現代思想――リベラリズムの冒険』(NHK出版、2008年)
☆川崎修・杉田敦編『現代政治理論(新版)』(有斐閣、2012年)
★M・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』(早川書房[文庫]、2011年)
★盛山和夫『リベラリズムとは何か――ロールズと正義の論理』(勁草書房、2006年)
●W・キムリッカ『現代政治理論(新版)』(日本経済評論社、2005年)
といった感じでしょうか。☆が入門編というか教科書的なもの、★は中級者向け、●はこの分野で大学院進学したいぐらいの方向け、といった感じ。これ以外にもたぶんたくさんありますが、あまり多くしてもあれなのでこれぐらいで。こういったものを読まれた後は、個別の研究書や原著に進むのがよいと思います。

.リベラリズム内部の細かい議論、たとえば前期ロールズの哲学志向と後期ロールズの政治志向との関係とか、多文化主義との対決、卓越主義との微妙な関係、ジェンダー/セクシュアリティ関係や生命倫理学的な問題への応用可能性……といった話についての論考を一挙に収録したものとしては、『思想』965号(2004年)などがあります。リベラリズム内部の議論をいろいろ知りたい、ということでしたら、日本語で読めるものとしてはこれが最も手っ取り早いでしょう。もしかしたら手に入れにくいかもしれませんが、大学図書館とかにはあります。
http://www.iwanami.co.jp/shiso/0965/shiso.html
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最近ChatGPTがまた賢くなったから、先生あての質問考えてもらった。これはいい質問といえますか? 吉良先生は、AI技術が法に与える影響をどう評価されますか?例えば、AIが再犯リスクを予測し判決に影響を与えたり、AI作成の契約書が有効とされる場合、法の中立性と人間らしさのバランスをどう取るべきか悩んでいます。AIによる判断は中立でも冷酷で、個別の事情を無視するリスクがあるように思います。技術の進展が法の正義や倫理とどのように折り合いをつけるべきか、先生のご意見を伺いたいです。

.こういうおおざっぱな質問は答えようがないよ。事例を入れてみたりして何往復かするともっといい質問になる。もちろんそれには相応の知識が必要になる。

あるの?既存サービス思いつかなかった。Linked Inのことじゃないよね。

.Mond とかそういうやつじゃないの。

柳のためにaskを改良したアプリの開発企画案をchat GPTに考えてもらった。こんなサービスあったら使ってくれますか? **企画書: 知識マッチングプラットフォーム** このプラットフォームは、ユーザーが匿名で質問・回答を通じて専門知識や興味を共有するコミュニティです。ユーザーは自身の専門分野や関心をもとにプロフィルを作成し、良質な質問や回答にポイントが付与され、評価されます。 共通の興味や専門性を持つ人々がつながることで、実務的なアドバイスや深い議論が可能。信頼性を保つための経歴確認機能も導入予定で、知的なマッチングを実現します。

.こんなもんすでにいくらでもあるじゃん。

年金が話題ですが、吉良先生は年金をもらうことを前提にライフプランを組んでいますか。

.ひとりもんだからどうにでもなるわね。だいぶ年をとっても働ける仕事だし。どうにもならなくなったらあっさりしんで終了。

そのうち柳も、.AIとか飽きたって言いそうなきがする。

.このスピードでどんどん新しいことが出てきているうちは飽きないんじゃないかなあ。

小泉進次郎が首相にもしなるとしたら、どう感じますか?

.そんなに嫌いではないな。パワハラ系の困ったやつらの時代じゃないということが印象付けられていいのではないか。できるスタッフを揃えればそうそう変なことにもならないだろう。

かつて大隅良典先生は「本来、一人の研究者が年間に10本も論文を書くことはおかしなことだ。3年に1本良い論文を出していれば十分良い研究ができている」と述べられました(https://newswitch.jp/p/11497、2017年)。理系と文系の分野では色々とカルチャーや事情も異なるでしょうが、人文・社会科学に即して考えるとどうでしょうか。おおむね年間2~3本から3~4本、特によい論文は同じく3年に1本くらいというあたりがよい研究の相場になりますか?

.ノーベル賞の先生が言ってるからもっとラクしていいんだみたいに安心するのマジ最悪。

科研費、若手や基盤B・Cくらいまではまあそれなりにいけるだろうけど、学術変革領域研究A(公募研究)はだいぶすごくないか。やっぱりランク(配分額)高いほうはそうそうとれるもんじゃない印象。

.すごいかどうかはともかく、研究費の規模としては基盤Cレベルですよ。その領域内のたくさんの研究チームの1つという位置づけ。

(1) ここ以外で、以前Xと連携してた質問・回答ツール(質問箱とか?)には今も質問来てるんですか?(2) そもそもなんでそんなに質問がほしい(回答したがる)んですか?質疑応答を通して人とつながっていたいという欲求が強いのでしょうか?

.質問なんかいらないからこんなとこにいるんだろう。

柳さん、最新のchat gptは、ユーザーの重要なプロフィールに関する情報と判断された際には、自動でそれをメモリにきろくする機能が備わっていてすごいです。しかももっとすごいのは、「いまから話す内容は重要だから、かならずメモリに記録してね」と指示してくだらない質問をすると、それをちゃんとメモリに記録することです。これって自分がどんな機能を持っていて、それをどう使用することが状況に即しているかを判断できているという点で、メタ認知的な思考の萌芽のようなものを感じるんですが、一層人間と人工知能の境界を曖昧にする事例だと思いませんか?

.すごいっちゃすごいんだけど、人間と AI の境界ってどうにでもいえる話なので、問題設定が変だと思うんだよね。何をやっても「それプログラミングされてるだけで意識とかないし」「もしかして人間もそんなもんかも」で終了。

Language: English