@bit_310

あき

折句をつくるときのコツとか、気にしているところとかがあったら教えてほしいです。

パターン1)折句したくて折句するとき
・入学や卒業の時期の歌会で「おめでとう」とかで折句したい
・連作全部枕詞や花の名前の折句にしたい
・ひとに五文字もらったのでそれで折句したい
などなど、そういうときですね。このときはもう約31音中の5音は決まっているので気楽です。あと約26音を埋めれば完成です。それではちょっと作ってみましょう。
「おりくする」で折句ということで。
とりあえずひとつの音を選んで、ひとつ単語をいれてみます。「る」が難しそうだから先に決めることにします。辞書を開いて、目に留まった単語を選びます。きょうは「ルフラン」でいきましょう。リフレインなんですねルフランって。
「おめでとう」折句をするときとか、キャラクター名で折句をするとか、連作につかうとかであれば向かう歌の傾向、なんとなく使える単語も決まるのですが、こういう場合はなんでもありです。
【お り く す ルフラン***】
「る」がカタカナの単語になったので、すごくばっちりなのが来ないかぎりはもうカタカナは使えないな、とか考えます。ということで「り」は「陸橋」にしましょう。
【お 陸橋*** くす ルフラン***】
【おまえたちは 陸橋に立つ く す ルフラン***】
「たち」とか手癖なのでよくないですね。
【おとずれを 陸橋に待つ く す ルフラン***】
「おと」っていうのがリフレインにかかってそうでいいかもしれない。続けましょう。句またがりが好きなので句またがりたいですね。
【おとずれを 陸橋に待ち 口は愛 するばかり言う ルフラン消える】
動詞が多いけどまあいいか。「愛」とかも「愛を歌えば許される」みたいなかんじで使ってるので「そんなんじゃ誰の胸にも響かぬ」(ひめキュンフルーツ缶「キラーチューン」より)なのですが、許してください。
【おとずれを陸橋に待ち口は愛するばかり言う ルフラン消える】
こういうのを5〜20分くらいでやります。できてから推敲していくらも時間をかけて全然違う歌にしたりすることもあります。
- - - - -
パターン2)途中から折句にするとき
・いいフレーズが浮かんだけど続かないので折句のパワーを借りたいとき
これもよくある話です。
いまいいフレーズメモにいいフレーズがないので、とくにいいフレーズでなくていいや。じぶんのツイートから歌の一部になりそうなリズムを探します。
https://twitter.com/bit_310/status/435072777062592512
ここから「まあそんなところですかな」をとりましょう。
A)一句目と二句目を【まあそんな ところですかな】にする
B)三句目と四句目を【まあそんなところ ですかな***】にする
他にも当てはめようはありますが、今回はこのふたつにしぼります。
Aの場合は折句する単語は「まと***」ですね。オーケー、「マトリョシカ」。
ささっと終わらせましょう。
【まあそんな ところですかな 両翼を しかしとざして かなしいあなた】
【まあそんなところですかな両翼をしかし閉ざしてかなしいあなた】
カ行とサ行を多めにしてかさかさと仕上げました。
Bの場合は「***まで」です。
こういうときは(http://dictionary.goo.ne.jp)さんの「〜で終わる」検索に頼ります。「まで」で終わる言葉で五音。「やそくまで(八十隈)」。「多くの曲がり角」とのことです。へえ。
【や そ く まあそんなところ ですかね、じゃあね】
最後を「じゃあね」にしたので、口調をそろえました。
【約束を そんなに交わして く僕たち まあそんなところ ですかね、じゃあね】
「約束」は「やそく」からのインスピレーションですね。
【約束をそんなに交わしてく僕たちまあそんなところですかね、じゃあね】
「そんなに交わしてく/僕たち」で9・4じゃんってかんじですが8・5のほうがリズミカルじゃん。
折句について考えてることはいろいろあるんですが、折句だとやりやすくなるパターンの句またがりがあると思っていて、そういうところも大好きです。
そんなかんじです。
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