お題:5カラットの涙:羽山つばさ

「じゃーん!私、羽山つばさの新作だよ。さあ召し上がれ」
_つばさがテンション高く出してきたのは、タルトだった。よくわからないが、色々手が込んでいるらしい。ムースの底には白いものが見える。多分中身が2層構造なのだろう。
_いただきます、と1つを掴んでがぶっと齧ってみる。タルトのしっとり滑らかな舌触りの後、爽やかな酸味のオレンジのムースが香る。その後に少しコクのある少しまろやかな酸味が来る。白いのはヨーグルトムースだったようだ。
_もぐ、もぐ、とあえてゆっくり咀嚼していると、つばさの視線を感じる。目を合わせると、ちょっぴり恥ずかしそうに、でも味が気になるのか手を握りしめて聞いてくる。
「ど、どうかな。味見もしたし、大丈夫だと思うんだけど……」
_ごくん、と飲み込んで美味しい、と伝えるとぱあっと笑顔になる。
「わわ、良かった口にあったみたいだね。見よう見まねで作ったからちょっと心配だったんだよ。うん、美味しかったなら、良かった。えへへ。」
_普段は普通なのに、つばさは料理にはものすごくこだわる。こちらとしては、つばさが作ってくれるだけで極上の調味料なのだけど、なかなか伝わらない。毎回こんなに頑張らなくても、と思うのだけど聞いてくれないのだ。しかも実は不味いと思ってるのを無理して食べてるんじゃないかと勘ぐられて泣かれた。涙を見せられてしまい、ちょっと堪えた。
_このムースが凝ってるね、と伝えるとにっこり笑って色々説明してくれる。タルト生地を焼き、先に下のムースを入れて冷やして固めた後、さらにムースを入れて冷やすらしい。手間がかかっている。
_こちらとしては嬉しいが、もうちょっと気楽にやってくれないかなあと思うが、うまく言葉にならない。言葉にならないので、つばさをくすぐっておいた。
「わっ!急になに、んっ……ふ……んふ……あ、あは、あはははは!やめてくすぐらないでってば!」
_もやもや感を晴らすためにしばらくくすぐり回した。
「う~、急になにするの。女子高生笑い死に、なんてそんなニュースになったらどうするの」
_笑いすぎた涙目で胸をぺちっと叩かれたが、本人は笑っていた。
「ああもう、笑いすぎて涙出ちゃったよ。感想が出てこないからってくすぐるのはなしだよ」
_涙を拭いながら笑うつばさを見て、やっぱり笑ってるのが一番だと思った。
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元ネタが分かりません!

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