ロールズに始まる正義論って法哲学のトピックというより政治哲学っぽいと思うんですが。あれは、法は如何にあるべきかをテーマとしてるって考えればいいんですかね?なんだか正義の二原理とかの説明を読んでいると政治体制の話をしているように感じられて、政治哲学色が強いのかなぁと思ってしまいます。もっとも法哲学、政治哲学の区別が難しいのかも知れませんが。

.政治体制といってもロールズの場合だと、あるべき「憲法秩序」がどういうものかという議論に落とし込まれるわけで、そこだけでも法哲学的な要素が大きいでしょう。もちろん、そうした議論の過程で「正義」「権利」「自由」「善」といった法的に重要な概念の分析も同時になされていまして、そこはやはり法哲学的な議論の蓄積が生きてくる話になります。その他、メタ倫理学的な話もあれば合理的選択理論のような話もありまして、議論が多岐にわたっていますので、どの分野とか分類することにそれほど大きな意味はない、というところではないかと思います。これはロールズだけでなく、ノージックとかサンデルといった「ほとんど政治哲学っぽい」学者たちについても同様です。
.そして、これはかなり日本特有の事情になりますけど、日本の法哲学者には早いうちからそういった広い分野をカバーして積極的に取り組んでいる方が多かったーー具体的には、70年代に田中成明先生たちが切り開き、80年代に碧海門下の井上達夫先生前後の先生方が議論を一気に盛り上げたーーので、ロールズ以降の正義論のかなりの部分がまず法哲学者によって紹介された、という歴史的経緯もあるかと思います。このあたりは世代的な層の厚みという、多分に偶然的な事情もわりと大きいところです。こういった先生方が法哲学でなく、政治哲学や倫理学に進んでいたならば業界の事情も変わっていたかもしれません。
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Latest answers from

講談社現代新書がカバーを手抜きスタイルに一新した時の衝撃はすごかったね

.昔のはいかにも教養みたいでダサかったから今のほうがいいんじゃない。本体はシンプルにしてオビでいろいろデザインする、という風潮はあまり好きじゃないが(オビは捨てたい)。

柳は名古屋でも運動してるの?ずっと座りっぱなしでよく病んだりしないな。

.あんまり健康ではないが、仕事してたらそれなりに動くよ。建物の移動だけでもまあまあ歩くし。

岩波文庫を作れますよメーカーだったらもっとバズったと思う。思いませんか?

.岩波文庫だと真面目かネタか両極端になってあんまり面白くないんじゃない。講談社現代新書ぐらいの中途半端さ(別にけなしているわけではない)がああやって遊ぶにはちょうどいいんでしょう。新書でも岩波や中公だと遊びにくくなる。

柳はテレビに出たら普通にまともなコメントしそうで本当にいやだ

.プロだからそれなりのことはしそうなんだよな。そういうところが自分でもイヤだから出ない。

柳は動画が大嫌いだけど、YOUTUBEとかはやっぱりほとんどアプリ開くことないの?

.音楽を聴くのに使ってるよ。X でジャズ紹介ずっとやってるのに誰も反応しねえ。

論文かけるレベルでフランス語できるの?

.できるといえばできるのだが、論文の言葉なんて形式的なものだからそんなに難しくはない。会話はほとんど無理。

ブラタモリ的な意味での博学さを期待されることは、柳にとって負担ですか?タモリの博識についてではなく、ブラタモリ的に発揮する教養に対する一般人の憧れに応えることです。

.そんなのはまさにテレビの仕事ぐらいしかないだろうけど、テレビは全部断ってる。博学どうこうというより、パッと気の利いたこと言えるかどうかだし。

アメリカ人が書いた地図ってあれまじなんすか?やらせだと思ってた。

.実際あんなもんだよ。

アメリカのどうしようもないところってどういうこと?教育水準の差が大きすぎて選挙の争点が卑近な内容ばかりになりがちってこと?

.教育水準にあまり関係なく、国際問題にとことん関心がない。アメリカ人の描いた地図ってネットで見たことあるでしょ?

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