won’t come out だ。
俺が思うにスランプってのはインプットとアウトプットのバランスが崩れた時に起こるパニック状態のことだ。技術があっても明確なモノが描けず、明確な描きたいものがあっても技術がない、スランプとはおおよそそのどちらかに思える。お前はどっちだと思う?手が描けないってのは恐らく、今まで「なんとなく」描いていた手が急に情報量の多いシロモノに見えているからなんだと思うぜ。要はインプットが足りないんだ。今まではなんとなくのインプットで描いていたが、お前の手を見る目が変わったんだ。違う、手はこうじゃない、もっと違うものだ、ってな。だから手をよく見ろ。手をよく見て描け。色んな絵の手を参考にしろ。
栄養を摂る、眼精疲労用の目薬を差す、せめて1時間半毎に目を休める、運動する、ストレッチをする、休む時はしっかり休む。こんなところじゃねぇかな。
なるほど紙面の上で形作っていくタイプか。そういう時は、というか回数が多すぎるって時は中間を削ることだ。最初と最後はそのままでいい。要は3枚目くらいの時に、完成図が頭の中で描けるようになるよう訓練するんだ。1枚描いて2枚描いて、もうその時点で方向性は決まってるよな。そしたら頭の中でこねくりまわせ。ある程度済んだら3枚目を描いてみろ。その3枚目が4枚目か5枚目くらいの下書きになるようにな。それを繰り返していけばいずれ3枚で下書きが済むようになり、最初と最後だけになり、最終的には下書きが1枚で済むようになるって寸法だ。長い道のりに思えるかもしれないが、間違いなくこれが最短ルートだ。
なかなか面白いことをやっているな。お前の言うとおり、次は別の物だ。次はエロ漫画でやってみろ。自分なりに良くするようにな。AVで培ったインプットがきっと役に立つ。エロ漫画で充分インプットが済んだら、そうだな。次はエロい表現ってのを追ってみろ。
いったい俺にどうしろってんだ。
まず何故「真似されるのが嫌なのか」を自分で分析してみろ。絵以外でも真似されるのが嫌か?絵だけか?自分が苦労を重ねて築き上げてきたものをあっさりパクられるのが嫌なのか?それともただ真似されるという事実が嫌なのか?
嫌なもんは嫌なんだからしゃーない。お前の技術は教えなくていい。基本的な基礎部分、こうすれば見栄えが良くなる、こうすれば綺麗に濡れる、こうすれば汚くならない、そんな教本に書いてありそうなことだけ教えていくしかないな。
描いている紙を体の真正面に置け。きちんとまっすぐになるようにな。紙が曲がっていると絵も曲がるぞ。方眼紙を使ってもいいが、何故曲がるのかの原因をきちんとはっきりさせた方がいい。姿勢が悪いか、紙が曲がっているか、顔が傾いているか、まぁそんなところだと思うぜ。
お前が思う「素敵な髪の絵」をまずよく観察してみろ。そしてなんとなくでいいから片っ端から真似てみろ。それでいい。
大丈夫だ。そのままお前の感性を信じてやってみろ。お前が何をしてきたのか、そこで全てが発揮される。お前が描いてきて理解したことはすんなり描けるだろう。そして初めてぶち当たる「何が原因ですんなり描けないのかわからない」見えない壁、そいつの正体を暴いて攻略法を探せ。
新しいことを始めるということは、つまるところそういうことだ。
学習意欲があるのならば問題はない。ただ、お前にとって家は「ぐーたらする所」という認識が心の奥底に根付いているだけだ。もしかしたら心置きなく家でぐーたら出来るから他所で頑張れるのかもしらんな。さて、心の奥底に根付いた認識というのは腕の良いカウンセラーでないとどうにもできん。だが、お前の頑張り次第でどうにか出来る可能性はある。
部屋の模様替えをしろ。今のお前が認識している「自分の部屋」をぶち壊せ。自分を錯覚させるんだ。捨てられるものは捨て、新調できるものは新調し、家具の位置を変えて、掃除ついでに部屋の臭いも変えるといい。人間ってのは臭いで判断することが多いからな。
これが俺の思いつく対処法だ。それでもぐーたらしたら、もう引っ越せ。